《柳田国男の民俗学構想》――(1)

『面白いに決まっている』と呟きながら頁を繰り始めた読み始めた好著。
 《柳田国男民俗学構想》(森話社,2010)
  http://bookweb.kinokuniya.co.jp/htm/4864050074.html
cf.
http://ci.nii.ac.jp/search?q=%E6%9F%B3%E7%94%B0+%E5%AE%A4%E4%BA%95&range=0&count=100&sortorder=2

まずは以下の文が読めるのを愉しみにしている。
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 民俗学者柳田国男の戦後における学問的本願は、民俗学の知見を活かした社会科・国語課の教育方法を開発し、これを主として初等教育の場において実践することで、対象となる児童・生徒をして、将来、「他人に頼らず、自分の力で世間の動向を判断できる」「かしこく正しい選挙民」たらしめるという点にあった。言を変えるならば、この時期の柳田は、民俗学を「政治教育」の方途として構想していたということである。この“定説”は、今日、教育学界では半ば常識とされているが、民俗学において、この点が深く顧慮されることは、まずないといって差し支えない。
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